古本屋の店主は達人
古書に興味のない人からしてみたら、たかが古本屋かもしれませんが、新刊書店などの店主よりは確実に本の事を知っていますので、希少価値のある本を見極める力があります。
本が好きな人が古本屋を開くことは夢のような話でして、毎日のように古本に囲まれながら、本の手入れをすることや、相場や価格を調べることの幸福感は計り知れません。
古書を探しに来る人の多くは、研究者や大学の教授でして、その人たちと対等に話せて、適切な本を探すには相応の知識がなくては仕事が務まりませんし、本の内容を全て把握してなくても良いですが、本のタイトルを見ただけで何が書かれているかを分かる必要がありますが、古本屋を長らく続けていると、本の達人の域に達するので、手に取っただけでどのような事が書かれているかが分かるようになります。
ですから、大量に本の買取を依頼してきたとしても、すぐにある程度の買取価格は頭に浮かんでくるようになり、機械よりも正確で早く作業が出来ます。
古本屋の店主は、図書館の検索カードと一緒で、頭の中に全ての在庫が入っていなくてはなりませんし、満足のいくサービスをお客さんに提供するなら絶対なのです。
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本屋の良いサービスとは
7年以上も前に谷川士清の関連の書籍を探していると店に来店された時の話ですが、古本屋は著者の名前もある程度知っておかなくては在庫を調べるのに時間が掛かります。
谷川士清をご存知ない人もいると思うので、この場で簡単に紹介したいと思うのですが、彼は江戸時代の国学者であって、日本で初めて五十音順の国語辞典を作った人物です。
当初、古本屋を開業したばかりの頃でしたから、その本が何処にあるのかを探すのに手間取ってしまい、上手くお客さんに良いサービスを提供することができませんでした。
今ではそのような事は一切ありませんが、その人物がどのような者かが分かることで、どの棚に本が置いてあるかが分かるようになりますし、シャンル別に保管しておくことで、見つけ出すのも素早くなるので、本を探している人からすると喜ばれます。
本の事を知るという事は、本の買取にも直結することでして、谷川士清の図書を求めている人がいて、お金にいとまない人であれば、買取したい本を大々的に宣伝もできますから、本の商売をするのであれば、欠かすことの出来なことなのです。
また、本を買いに来た人に、何冊かお客さんの前に並べると、莫大な在庫の中から探してきた本でもあるので、義理で1冊ぐらいは買ってくれるもので、これもテクニックです。
現在では、パソコンが普及して便利になり、全ての在庫データを登録することが出来ますので、数十万冊の在庫か合ったとしても、エクセルなどを利用して一発で検索することが出来ますし、全部の本に番号をふって置けば、棚に並んでいる本の中から、お客さんの探している本を30秒から60秒くらいで持ってくることが出来ます。
便利とばかりにパソコンを頼っていると、本来頭の中にデータを登録していたものも、記憶が怠惰になってしまうので、意識的観察を忘れないようにしたいものです。